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不正出血

生理じゃないのに血が出た
(不正出血してしまった)方へ

不正出血月経期間以外で性器から出血を起こすことを不正出血と言います。不正出血の原因には様々なケースがあり、排卵期の中間期出血など特に問題のないものもありますが、中には子宮頸がん、体がんなど、重篤な病気が原因となって引き起こされているものもあるため、注意が必要です。
不正出血がある場合はお早めに当院までご相談ください。

不正出血の原因

炎症

細菌やウイルスに感染することで膣内が炎症を起こし、不正出血へと繋がることがあります。原因菌としては、クラミジアや淋菌、トリコモナスなどの性感染症を引き起こす菌や大腸菌などが挙げられます。
ストレスや性交渉が原因となり、膣内の環境を整える役割を果たすデーデルライン桿菌が弱まると、膣内の防御力が低下し、雑菌が繁殖しやすい状態になります。このような膣内環境の乱れが、不正出血を引き起こすこともあります。

ホルモンバランスの乱れ

ホルモンバランスが乱れることで不正出血を引き起こすこともあります。ホルモンバランスは思春期や更年期に乱れやすくなる傾向があります。

中間期出血によるもの

月経と月経の間の排卵期に出血を起こすことを中間期出血と言います。これは排卵に伴う出血のため、特に問題はありません。

何らかの病気によるもの

不正出血は何らかの病気が原因で引き起こされることもあります。主な原因疾患は、子宮頚管ポリープや子宮内膜ポリープ、子宮内膜症、子宮筋腫、子宮頸がん、子宮体がんなどが挙げられ、比較的重篤な病気が多いため注意が必要です。

妊娠や性交時の傷などによるもの

妊娠の際の着床時や妊娠初期に絨毛膜下血腫という出血を起こすことがあります。また、性行為中に外陰部や腟壁が傷付いて出血を起こすこともあります。

不正出血の部位と考えられる疾患

不正出血は、出血を起こした部位によって様々な病気が考えられます。代表的なものは以下となります。

子宮・卵巣

機能性出血

子宮や卵巣からの出血の場合は、ホルモンバランスの乱れや無排卵が原因として考えられます。

子宮筋層

子宮筋腫

子宮にできる良性腫瘍で、不正出血や月経量の増加を引き起こします。

子宮肉腫

子宮にできる悪性腫瘍で閉経後に見られる傾向があります。主な症状は不正出血や慢性的な腹痛です。

子宮内膜

子宮体がん

子宮内膜に発生するがんで、不正出血や慢性的な腹痛、おりものに血が混じるなどの症状を引き起こします。

子宮内膜ポリープ

子宮の中の内膜にできる良性腫瘍です。

子宮内膜炎

子宮内に細菌が侵入することで子宮内膜が炎症を起こし、不正出血や発熱、腹痛、おりものの異常などの症状を引き起こします。慢性子宮内膜炎が不妊の原因となることもあります。

子宮・膣部・膣

子宮頸管ポリープ

子宮頚管にできる良性腫瘍です。ポリープが擦れることで不正出血を引き起こします。

頸管の炎症

子宮内に細菌が混入することなどが原因となり子宮頚管で炎症が起きます。

子宮頸がん

子宮頸部に発生するがんで、近年では比較的若年層での発症が増加傾向です。

子宮膣部びらん

子宮膣部の感染や性交時の摩擦などによって粘膜が赤くただれた状態です。

膣炎

膣の粘膜に炎症が起きている状態です。不正出血や膣のかゆみ、おりものの異常などの症状を引き起こします。

膣がん

膣の壁に発生するがんです。膣の粘膜から発生するがんで非常に稀ながんです。女性生殖器がんの1%程度と言われています。粘膜から発生し、進行すると粘膜上で拡がったり、下の筋肉、全身へと拡がる可能性があります。

どのくらい不正出血が続いたら
受診するべき?

不正出血は様々な原因によって引き起こされる症状ですが、中には重篤な病気の症状として現れることもあります。そのため、出血を起こした際には生理不順などと自己判断せずに、なるべく早く医療機関を受診して状態を確認することで、がんなどの早期発見早期治療につながることもありますので、少しの症状でも、遠慮なくご相談下さい。

当院で行う検査と治療方法

検査

血液検査

血液検査を行うことで、ホルモンバランスの状態を確認することができます。具体的には、エストロゲンや黄体ホルモン、卵胞刺激ホルモンなどの分泌量や貧血の有無について確認します。

子宮がん検査

子宮頸がんと子宮体がんは初期の段階では自覚症状に乏しいこともあるため、定期的に検査を行って自身の状態を把握しておくことが大切です。

超音波検査

腹部超音波検査を行うことで、子宮や卵巣の状態や腫瘍の有無などを確認することができます。

妊娠反応検査

妊娠の可能性があり、市販薬で検査をされていない場合には、妊娠しているかどうかを調べるために、尿検査を実施することがあります。

おりもの検査

おりものを採取して検査に提出し、細菌性膣症や性感染症の有無などを確認します。

治療方法

ホルモンバランスの乱れによる出血

出血がすぐに治まる場合は経過観察することもありますが、長期間続く場合や、貧血が進行している場合には、ホルモン剤を使用して止血を行うことがあります。貧血が進行している場合には鉄剤の投与なども行います。

膣炎、子宮頚管炎などの炎症による出血

細菌の感染が原因で炎症や不正出血を起こしている場合は、抗生剤を使用し、感染を治療します。

ポリープなどによる出血

ポリープが原因で不正出血を繰り返している場合には、子宮鏡を使ったポリープ切除手術が適応になることもありますので、手術の適応と判断した場合には手術が可能な医療機関をご紹介しています。

がんの可能性がある場合

不正出血の原因が悪性腫瘍であった場合は、早急に適切な治療を行う必要があります。その際には、当院と連携する高次医療機関をご紹介いたします。

妊娠による出血の場合

不正出血が妊娠によるものと判明した際は、産科で診察を行う必要がありますので、対応可能な医療機関へご紹介いたします。