生理期間がバラバラでおかしい…
生理の周期が不安定な状態を生理不順と言います。生理不順は多くの方が経験されたことがあるかと思います。よくある症状なのでいつものこととして放置されがちですが、治療が必要な病気などが隠れていることがりますので、注意が必要です。生理予定日から1〜2週間経過しても生理が来ない場合、妊娠の可能性がある方は市販の妊娠検査薬を使用することをお勧めします。妊娠の可能性のない方や妊娠反応は陰性であった方でも、3か月間生理が来てない場合には、ホルモン剤による治療が必要な場合もありますので、一度婦人科受診をお勧めします。
妊娠していないのになぜ生理が来ない?
予定日になっても生理が来ない原因には、妊娠以外にも心身の不調や病気、ストレス、急な体重減少など様々なケースが考えられます。生理が来ない期間が長くなる場合は、治療が必要な病気が隠れている可能性がありまので、一度専門家の診察をお受けになることをお勧めします。
当院では、患者様のプライバシーに十分配慮した上で、丁寧に診療を行っております。気になる症状が現れている場合やご不明な点がございましたら、お気軽に当院までご相談ください。
生理が遅れる・周期が毎回バラバラになる原因は?
妊娠
生理が来ない原因の一つとして、妊娠の可能性が考えられます。性交渉のある方は、避妊法を併用していたとしても成功率は100%ではありませんので、妊娠検査薬で陽性・陰性の確認を行うことをお勧めします。妊娠検査薬で陽性判定が出た場合には、早めに産婦人科を受診し、妊娠の確認を行うことが必要です。
生理不順
通常の生理周期は25〜38日程度となりますが、前後1週間ほどの誤差は問題ありません。しかし、予定日から数カ月間生理が来ない、予定日よりもあまりに早い時期に生理が来た場合には、生理不順を起こしている可能性があります。
無月経
妊娠以外で3ヶ月以上生理が来ない状態を無月経と言います。毎月来ていた生理が妊娠以外で来なくなった状態を続発性無月経と呼び、18歳以上で一度も生理が来ない無月経を原発性無月経と呼びます。
早期閉経
40歳未満で閉経を迎える状態を早発閉経と言います。早発閉経の原因としては、早発卵巣不全などが考えられます。また卵巣や子宮の摘出手術などで月経が来なくなった場合は外科的閉経と呼びます。
甲状腺の病気
バセドウ病や橋本病などの甲状腺の病気を発症すると、甲状腺ホルモン分泌のバランスが乱れて生理不順が起こる可能性があります。
ストレス
過度なストレスは、エストロゲンやプロゲステロンなどの女性ホルモン分泌のバランスが乱れて生理不順を引き起こす恐れがあります。
ダイエット
急激な体重減少を伴う無理なダイエットの後に無月経となる場合があります。これは無理なダイエットにより栄養不足になり、その状態を脳にある視床下部という部位が感知します。生理を起こすことは体力を消耗するので、命を守るために排卵が抑制され、月経不順や無月経となっている状態です。極度のやせの場合には無月経になっていても、すぐにホルモン剤で治療をすると、体力を消耗してしまうので、食生活や生活習慣を見直して、月経を起こしても大丈夫なところまで体重をもどしてから、ホルモン剤による治療を行います。太ることに過剰な不安があるような場合は神経性やせ症と診断されます。この場合はただ食べるように指導しても、かえって治療に拒否感が強くなってしまいますので、慎重な対応が求められます。精神科受診をお勧めすることもあります。女性ホルモンが低い状態を放置すると、骨密度の低下や子宮が小さくなってしまうなど健康上大きな問題となる可能性があります。健康的な範囲内に体重を保持することも大切なことなのです。
どのくらい生理が来なかったら婦人科に行くべき?
生理予定日から1〜2週間経過しても生理が来なかった場合には、妊娠の可能性が少しでもある方は妊娠検査薬を使用し、妊娠の有無を確認することが大切です。妊娠をしていた場合は早めに正確な診断のために産婦人科を受診することが必要です。妊娠反応が陰性の場合や、妊娠の可能性がない方の場合でも、3か月以上月経がない時には婦人科を受診することをお勧めしています。
また、気になる症状がある時には時期を問わずお気軽にご相談下さい。
生理が来ない時の対処法
ストレスを溜めない
過度なストレスは、ホルモンバランスの乱れを引き起こします。仕事が忙しくストレスフルな環境にあると自覚している場合には、その環境の改善が望ましいでしょう。ただ、現実には難しいことも多くありますよね。そのため、ストレスフルな環境のなかでも、自分を守るためにリラックスした時間を作るなど、ストレスを解消するよう心がけましょう。また、捉え方を変えることで気持ちが楽になったり、話を聞いてもらうだけで気持ちが整理できることもありますので、カウンセリングなども一つのストレス解消法だと思います。
十分な睡眠を取る
睡眠不足や睡眠の質の低下は、ホルモンバランスの乱れを助長して生理不順を引き起こします。就寝前にゆっくりとお風呂に浸かる、早めに就寝する、就寝時にはスマートフォンを閲覧しないなどを心掛け、質の良い睡眠を十分に確保しましょう。
栄養バランスの良い食事をする
忙しい生活の中で、食生活が疎かになってしまっている場合には、たんぱく質、炭水化物、ビタミン、ミネラル、食物繊維など栄養バランスの良い食事習慣を心掛けるようにしましょう。
生理が来ない時に婦人科で行う検査
基礎体温のチェック
朝起きた時に布団から出る前、起き上がる前に、体温を測ります。この時の対応を基礎体温と言います。小数点2桁まで計測することができる婦人科体温計で計測する必要があります。可能な限り毎日測定し、アプリなどを利用して記録をしておき、受診時に持参して頂けると、卵巣機能の状態や排卵の有無などを診断する上で役立ちます。
ホルモンの検査(血液検査)
血液検査で女性ホルモンや性腺刺激ホルモン、甲状腺ホルモンや乳汁分泌を促進するプロラクチンの値を調べることでホルモンバランスの乱れを確認できます。
経膣超音波検査や内診
子宮や卵巣の状態を確認することが診断の助けとなることもありますので、必要と判断した場合には、超音波検査や内診を行います。未成年の方や性交渉をしていない方の場合は膣からの内診は難しいことが多いので、お腹からの超音波で代用したり、お腹からでは腸の中のガスが邪魔して良く見えない、お腹の脂肪が邪魔して良く見えないという場合にはお尻から超音波の検査をさせていただくこともあります。お一人お一人の状況やお考え、検査の必要性などによってご相談させて頂きますので、ご安心下さい。