年齢を重ねて起こる、
のぼせ・ほてり・発汗とは?
ホットフラッシュとは、暑くもないのに顔や上半身がほてる、大量に発汗する、のぼせるなどの症状を引き起こす更年期障害の一つです。
症状が重くなると仕事や家事など日常生活に支障をきたす恐れがあります。
ホットフラッシュが起こる原因
ホットフラッシュは、更年期による女性ホルモンの減少により、自律神経の乱れが生じることが主な原因と考えられています。
自律神経は交感神経と副交感神経で構成され、交感神経は主に体温や血圧、心拍数、睡眠などの生命活動を促進し、副交感神経はこれらを抑制する働きがあります。この交感神経と副交感神経が上手にバランスを保つことで、我々は生命活動を適切に維持しています。しかし、更年期にはこの2つの神経のバランスを調節しているエストロゲンという女性ホルモンの分泌量が減少することで自律神経のバランスが乱れ、様々な症状を引き起こすようになります。
更年期障害以外の原因
ホットフラッシュは更年期障害の症状として発症するケースがほとんどですが、中には高血圧や甲状腺の病気が原因で引き起こされることもあります。
甲状腺疾患
甲状腺の病気の中でも特に女性に多く見られるのが甲状腺機能亢進症です。この病気は、発症すると更年期障害と類似した様々な症状を引き起こしますが、進行すると体重減少や心疾患などを併発する恐れもあるため、注意が必要です。通常の健康診断では甲状腺の検査は行わないため、気になる症状が長引いている場合には、自己判断で放置せずに医療機関を受診して自身の状態を確かめるようにしましょう。当院では更年期症状を主訴に来院され、採血を行う場合には甲状腺ホルモンの値も確認することにしています。異常が発見された場合には内分泌甲状腺内科をご紹介しています。
高血圧
高血圧もホットフラッシュを引き起こす原因となります。高血圧は全身の血管を損傷して動脈硬化を進行させ、更年期障害と類似した症状を引き起こすようになります。また、動脈硬化がさらに進行すると、心筋梗塞や脳卒中など命の危険を伴う重篤な病気へと進展する恐れもあります。
更年期には女性ホルモンであるエストロゲンが減少し、自律神経が乱れて高血圧を発症しやすくなります。そのため、血圧を測定し、自分の血圧を知ることは大切です。血圧が高い状態を放置すれば、動脈硬化につながり、将来的な健康を害する可能性がありますので、高くなってきた血圧を見逃すことなく、内科でご相談されることをお勧めしています。
ホットフラッシュの治療
ホットフラッシュの原因の多くは女性ホルモンの減少であるため、減少したホルモンを補うホルモン補充療法(HRT: hormone replacement therapy)を行います。HRTで使用する薬は内服薬以外にも貼り薬やジェル剤など様々なタイプがあるため、患者様に合ったものをご提案いたします。その他、漢方薬やエクエル、サプリメント、プラセンタなどの中にも改善効果が期待できるものがありますのでご希望に合わせてご紹介しています。
ホルモン補充療法 (HRT: hormone replacement therapy)
HRTは様々な更年期障害の症状の改善に有効です。当院では、患者様のお身体の状態や生活習慣などを総合的に鑑み、一人一人に最適なHRT薬をご提案いたします。
HRTに関して何かご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。